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音が物語を盛り上げる!音楽と一緒に楽しみたい3冊。
大型連休も終わり、いよいよ汗ばむような陽気の日が増えてきました。ビールを片手に、屋外で読書なんていうのも楽しい季節がやってきますね。
今回の紹介は音楽と一緒に楽しみたい本3選。物語の中で音楽が重要な役割を果たしていたり、音楽が印象に残るような小説を取り上げてみました。
本の中に登場する音楽を実際に聴きながら、じっくりとその物語の世界に浸るというのもいいかも知れませんね。
目次
「愛と幻想のファシズム」村上龍
1990年代の日本と世界を舞台にした政治経済小説。主人公鈴原冬二を中心に結成された政治結社「狩猟社」が、閉塞感の漂う日本を動かし始める。
この物語の冒頭、あまりにも雄大なカナダの大自然の中を、主人公がチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトを聴きながらフォードの四輪駆動で狩猟のために駆け抜けるシーン。読者はその世界観に魅了され、ぐいぐいと物語の世界に誘われていきます。
全編を通して勇壮なバイオリンの通奏低音が感じられる、そんな名作です。
「マチネの終わりに」平野啓一郎
福山雅治と石田ゆり子の主演により映画化もされた、平野啓一郎の小説。世界中を舞台に展開する2人の切ない恋の行方を軸に、さまざまな人間模様が描かれます。
映画では福山雅治が演じた主人公、蒔野聡史は天才と称されるクラシックギタリスト。物語の中、随所に演奏会や音楽にまつわるエピソードが登場し、小説を盛り上げます。
情景が浮かぶような美しい描写も印象に残る1作です。
「ラブカは静かに弓を持つ」安壇美緒
心に傷を負った青年、橘が上司からの命令により音楽教室に「スパイ」として潜入。チェロ講師である浅葉の生徒としてスパイ行為にあたるものの、次第に彼の演奏に魅了されていく橘。
橘自身がもともとチェロを学んでおり、やがて彼自身も音楽と向き合っていくことになっていきます。
全編を通じて音楽教室が舞台となるとともに、演奏することの素晴らしさや、演奏会に向けての緊張など、音楽を奏でることの楽しみや魅了、そしてその辛さまでもがうまく表現された作品です。
SEE SEA 読書会
SEE SEA PARKでは、本好きの皆さん(も、そうでない方も)を対象にした「SEE SEA 読書会」を毎月1回、第1金曜日の夜に開催しています。
読書会では毎月1冊、課題本を決め、その課題本についての感想を自由におしゃべりしています。
(そのため事前に課題本を読んできていただいた方が楽しめます!)
次回6月7日の読書会の課題本は、今回お薦めした「ラブカは静かに弓を持つ」。本を読んだ感想を、みんなで楽しくおしゃべりしましょう。
参加のご予約などは特に必要ありません。どうぞお気軽にご参加ください。